赤ちゃん先生 トレーナー研修テキスト

Chapter 15 感染症・緊急時対応・メディア

この章では、赤ちゃん先生クラスを安全・安心に継続していくために欠かせない
感染症対策・緊急時対応・メディア対応 について整理します。
「何かあってから考える」のではなく、
事前に方針と手順を共有しておくこと が、トレーナーの大事な役割です。

15-1 この章のゴール

  1. 感染症に関する基本的な考え方と、参加可否の目安を理解する。
  2. 赤ちゃん・ママ・参加者の体調不良や事故が起きたときの対応フローをイメージできる。
  3. 写真・動画・メディア対応の基本ルールを説明できる。
  4. エリアとして、独自のルールや連絡体制を整えたくなる。

15-2 感染症に関する基本方針

① 大原則

  • 赤ちゃん・ママ・参加者の健康と安全を最優先に考える。
  • 「少しでも不安がある場合は参加しない・させない」を原則とする。
  • 学校・施設・行政の方針(ガイドライン)を必ず確認する。

② 参加の目安(例)

  • 発熱(目安として 37.5℃以上)がある場合は参加しない。
  • 咳・鼻水・下痢・嘔吐など、明らかな症状がある場合は無理をさせない。
  • 医師から登校・登園を控えるよう言われている期間は参加不可。
  • 感染症が強く疑われる家族が同居している場合も、慎重な判断を行う。

■ トレーナーポイント
・「来れなくて申し訳ない」と感じさせない声かけが大切です。
・安全ラインは、厳しめに設定しておくほうが長期的には安心です。

15-3 現場での感染症対策(基本)

① 手洗い・消毒

  • 赤ちゃんに触る前後は、必ず手洗い・手指消毒を行う。
  • 子ども・参加者にも、可能な範囲で手洗い・消毒を促す。
  • アルコールが使えない場合は、石けんと流水での手洗いを徹底する。

② マスク・咳エチケット

  • 社会状況・行政の方針に応じて、マスク着用ルールを随時見直す。
  • せき・くしゃみが出る場合は、袖やハンカチで口元をおさえることを伝える。
  • 参加者にマスクを強制するかどうかは、学校・企業の方針と合わせる。

③ 会場環境

  • 換気がしやすい部屋を選ぶ(窓・換気扇など)。
  • 人数が多い場合は、距離を保ちやすいレイアウトを工夫する。
  • おもちゃや共有物がある場合は、使用後の消毒方法を事前に決めておく。

15-4 開催可否の判断と連絡体制

① 開催前に確認しておくこと

  • 学校・企業・施設側の感染症に関する方針(ガイドライン)。
  • 地域での感染状況(学校閉鎖・学級閉鎖など)。
  • 赤ちゃんチームの体調状況と参加可否。

② 中止・延期の判断

  • 赤ちゃん・ママの体調不良が複数出た場合。
  • 学校や企業が、対面イベントの中止方針を出している場合。
  • エリア全体の方針として、開催が適切でないと判断される場合。

③ 連絡の流れ

  • トレーナー → エリア責任者・本部との相談。
  • トレーナー(または責任者) → 学校・企業・施設への連絡。
  • トレーナー → ママ講師への連絡・フォロー。

■ トレーナーポイント
・判断を一人で抱え込まず、「迷ったら相談」を徹底しましょう。
・中止・延期の連絡も、丁寧な説明と感謝の言葉を添えることで、信頼関係を守ることができます。

15-5 緊急時対応の基本(体調不良・事故など)

① 緊急時の優先順位

  1. 命と安全の確保(現場の危険を取り除く/離れる)。
  2. 必要に応じて救急要請・先生や担当者への連絡。
  3. ママ講師・保護者への連絡。
  4. 本部・エリア責任者への報告。

② 体調不良の例

  • 赤ちゃん:急な発熱・ぐったりしている・呼吸が苦しそう。
  • 子ども:気分が悪い・めまい・転倒・ケガ。
  • 大人:貧血・胸の痛み・意識がぼんやりするなど。

③ その場での対応

  • 無理に動かさない(必要があれば先生・医療職に判断を仰ぐ)。
  • 周囲の子ども・参加者を一旦下がらせ、スペースを確保する。
  • トレーナーは、決して独断で「大丈夫」と判断しない。

15-6 事故・ヒヤリハットの報告とふりかえり

① ヒヤリハットとは

  • 「事故にはならなかったが、危険と感じた出来事」全般。
  • つまずき・転倒・ぶつかりそうになった・物が落ちそうだった など。

② なぜ記録が必要か

  • 同じことを繰り返さないための共通財産になる。
  • 個人を責めるのではなく、「仕組み」を改善するヒントになる。
  • 安全ガイドラインやチェックリストの更新に活かせる。

③ 報告の内容例

  • いつ・どこで・誰が・何をしているときに・何が起きたか。
  • そのとき、どう対応したか。
  • 今後、防ぐために考えられる工夫(レイアウト・声かけ・ルールなど)。

15-7 メディア対応・写真・SNSの扱い

① 写真・動画撮影のルール

  • 学校・企業・施設の撮影方針に必ず従う。
  • 参加者・保護者からの同意の有無を、事前に確認してもらう。
  • 「撮影OK」の範囲(顔出し可/マスク必須/後ろ姿のみなど)を共有する。

② SNS投稿の注意点

  • 個人が特定できる写真を無断で投稿しない。
  • 学校名・企業名を出す場合は、事前に許可をもらう。
  • 位置情報や詳細な時間をリアルタイムで発信しない(安全面への配慮)。

③ メディア取材への対応

  • 新聞・テレビ・Webなどから取材依頼があった場合は、必ず本部・責任者に共有する。
  • トレーナーが単独で判断して対応しない。
  • 撮影内容・放送内容・掲載範囲について、事前に確認する。

■ トレーナーポイント
・「広く知ってもらいたい」気持ちと、「プライバシーを守る」責任をセットで考えましょう。
・迷ったときは、必ず本部・責任者に相談してから対応します。

15-8 説明責任とコミュニケーション

① トラブル時のコミュニケーション

  • まずは事実を正確に伝える(憶測で話さない)。
  • 謝るべき点があれば、早い段階で誠実に謝罪する。
  • その場で判断できないことは、「持ち帰って確認する」と伝える。

② 内部への共有

  • 本部・エリア責任者への報告を、できるだけ早く行う。
  • メール・チャット・報告書など、記録に残る形で共有する。
  • 個人情報は必要最小限にしつつ、判断に必要な情報は過不足なく伝える。

③ 学びに変えるふりかえり

  • 何が起きたかだけでなく、「なぜ起きたか」「どうすれば防げるか」を振り返る。
  • 感情面のフォローも忘れない(トレーナー自身・ママ講師・参加者)。
  • 次回以降のガイドラインやチェックリストに反映する。

Chapter 15 のまとめ

  • 感染症対策は、「来ない・参加しない」ことも含めて安全を守る選択肢である。
  • 緊急時は、一人で判断せず、命と安全を最優先にした対応と連絡を行うことが重要である。
  • 事故やヒヤリハットは、記録し共有することで「仕組みの改善」につなげることができる。
  • 写真・動画・SNS・メディア対応には、プライバシーと信頼を守るためのルールが必要である。
  • トラブルが起きたときほど、誠実なコミュニケーションと説明責任が問われる。

最後の Chapter 16 では、これまでの内容を総合しながら、
評価・改善・ビジネスモデル・理念統合 について整理し、
赤ちゃん先生トレーナーとしての「全体像」をもう一度つなぎ直していきます。