12-1 この章のゴール
- 学校説明会・企業提案の全体の流れをイメージできる。
- 自分の言葉で「赤ちゃん先生」を説明する練習ができる。
- 相手のニーズを聞き取りながら提案を組み立てる感覚を持つ。
- ロープレをエリアの定番トレーニングとして活用できるようになる。
12-2 ロープレをやる意味
① 「分かる」と「できる」は別物
資料を読んで「理解したつもり」になっていても、 いざ目の前に先生・企業担当者がいると、言葉が出てこない── これは誰にでも起こります。
ロープレは、安全な場で“失敗する練習”ができる時間です。
うまく話せないところ・詰まるところこそ、伸びしろです。
② ロープレを「恥ずかしい時間」にしないために
- 「評価」ではなく「練習」が目的であることを最初に共有する。
- 一度で完璧を目指さず、「2回目が少し良くなればOK」にする。
- 見る人も、「粗探し」ではなく「良かった点を探す」視点を持つ。
12-3 学校説明会ロープレ:基本の流れ
① 説明会の想定シーン
- 校長・教頭・生活指導・学年主任などが参加。
- 時間は30〜60分程度。
- 「何のためにやるのか」「どんな効果があるのか」を知りたい、という状態。
② 基本の流れ(フォーマット)
- あいさつ・自己紹介(トレーナー・団体紹介)
- 赤ちゃん先生とは?(概要・理念)
- 学校での実施例(対象学年・ねらい・効果)
- 具体的な1回・5回シリーズのイメージ
- 先生方の負担・役割について
- 質疑応答
- 今後の進め方(スケジュール感の提案)
③ ロープレ用 台本サンプル(抜粋)
「本日はお時間をいただきありがとうございます。
NPO法人ママの働き方応援隊の○○と申します。
本日は、“赤ちゃん先生クラス” というプログラムについて、
貴校での実施イメージを中心にお話させていただきます。」
「赤ちゃん先生とは、0〜3歳くらいの赤ちゃんとそのママが教室に伺い、
子どもたちが “命の大切さ” や “相手の気持ちを想像する力” を育む授業です。」
「特に小学校2年生での継続的な実施は、
学級づくり・いじめ予防・自己肯定感の向上にもつながると感じています。」
12-4 学校向けロープレ:ワークの進め方
① 3人1組ロープレ
- 役割A:トレーナー(説明する側)
- 役割B:学校側(先生役)
- 役割C:オブザーバー(時間管理・フィードバック)
② 進め方
- トレーナー役が 5〜7分で説明。
- 学校側役が、実際にありそうな質問を2〜3つ行う。
- オブザーバーが、良かった点・改善点をシェア。
- 役割を交代して、もう一度行う。
③ フィードバックの観点
- 聞き手にとって「何が一番メリットか」が伝わっていたか。
- 説明が長すぎなかったか(要点が絞られているか)。
- 先生役の不安や疑問に、ていねいに向き合えていたか。
12-5 企業提案ロープレ:視点の違いを理解する
① 企業が知りたいこと
- 自社にとってのメリット(人材育成・地域貢献・採用広報など)。
- 何時間・何回・どれくらいの費用・どんな準備が必要か。
- リスク(安全・コンプライアンス・クレーム)の管理方法。
② 提案の基本の流れ
- 団体紹介・赤ちゃん先生とは?
- 企業向け実施例(研修・イベントなど)。
- 御社にとってのメリットの整理。
- 具体的な提案プラン(回数・プログラム案・予算イメージ)。
- 想定されるリスクと、その対策。
- 質疑応答・次の一歩の確認。
<企業向けトークの一例>
「御社の“人材育成”と“地域貢献”の両方を、
一つのプログラムで実現できるのが、赤ちゃん先生を活用した研修です。
社員の方にとっては、命や家族を見つめ直す時間になり、
同時に、地域の学校や家庭とのつながりづくりにもなります。」
12-6 企業提案ロープレ:3パターン練習
① パターン1:人事・研修担当向け
- テーマ:新人・若手向け研修、管理職研修。
- 強調ポイント:コミュニケーション力・エンパシー・多様性理解。
- 資料:研修プログラム例・アンケート結果。
② パターン2:CSR・広報担当向け
- テーマ:地域貢献・SDGs・次世代育成。
- 強調ポイント:地域との関係構築・メディア露出可能性。
- 資料:過去の事例・メディア掲載実績。
③ パターン3:経営層向け
- テーマ:企業の理念・存在意義との接続。
- 強調ポイント:長期的なブランド価値・組織文化への影響。
- 資料:理念とプログラムの接続イメージ。
■ トレーナーポイント
・相手の肩書き・部署によって、「どのメリットを前に出すか」を変える。
・すべてを話そうとせず、「その人に刺さる切り口」を意識しましょう。
12-7 ロープレをエリアの「標準トレーニング」にする
① 定期的なロープレ会
- 月に1回・2時間程度のロープレ会をエリアで企画する。
- 毎回テーマを変える(学校向け/企業向け/ママ講師向けなど)。
- 新しいトレーナーは必ず一度ロープレを経験してから現場へ。
② フィードバックのルール
- 「良かった点」を必ず最初に3つ挙げる。
- 改善点は「次こうしてみたら?」という提案形で伝える。
- 人格ではなく「行動」にコメントする。
③ 記録を残す
- うまくいったトーク例・よく出る質問をメモしておく。
- 共有フォルダに「ロープレメモ」として蓄積する。
- 新しいトレーナーはそれを読んでからロープレに参加する。
Chapter 12 のまとめ
- ロープレは、「分かる」を「できる」に変えるための安全な練習場である。
- 学校・企業それぞれが「何を知りたいのか」を意識して説明を組み立てることが重要である。
- 3人1組(トレーナー役・相手役・オブザーバー)でのロープレが効果的である。
- 企業向け提案では、部署ごとに響くポイント(研修・CSR・経営)を変える必要がある。
- ロープレをエリアの標準トレーニングにすることで、トレーナー全体の提案力が底上げされる。
次の Chapter 13 では、ここまでの内容を踏まえて、
開催フローとチェックリスト を整理し、
実際の現場を「抜け漏れなく回す」ための実務的な視点をまとめていきます。